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「地球、地域環境の維持」と左官について 2006

株式会社 塚田工業
代表取締役 塚田真一郎

近年、私達を取巻く環境には、地球規模の大きなものから、地域単位の小さなものと、様々な問題が起きつつある。

1.世界の人口

「地球、地域環境の維持」と左官について

平成18年3月25日午後6時25分現在、世界の総人口は65億566万5、699人である。今世界で1年に6千万人が亡くなり、1億4千万人が生まれている。 1960年に世界の総人口30億人であったが、今日まで45年間で約35億人、約2倍強増えてる。国連の予測では、2050年には、世界の総人口は、今のまま推移すれば91億人に達するという報告がある。
地球という1つの器の大きさは変わらずに、中味だけが90年間で3倍強に増えているのだ。地球の表面積も体積も変ることなく、水と空気の量も変っていないとすれば、息苦しく感じるのは私だけであろうか?

2.資源の枯渇

地下資源の埋蔵量にも限界であり、石油で今後30年〜40年、天然ガスで50年、鉱物資源の金、銀で20年〜30年、鉄、アルミで80年〜100年で枯渇する。

3.BRICsの台頭

現在、BRICsの経済的台頭が目覚しい、BRICsとは、ブラジル、ロシア、インド、中国の英語の頭文字をつなげた造語である。
2050年にはGDPの順位が、中国、アメリカ、インド、日本、ブラジル、ロシア、イギリスの順位になると予想されている。その理由にはまず第1に、人口の増加、中国が13億で世界1位、インドでは10億5000万人で2位、ブラジルが5位、ロシアが7位、BRICs4国で世界人口の約45%である。第2に、国土が広い、ロシアが世界1位、中国が3位、ブラジルが5位、インドが7位である。第3に生産性の改善に伴う1人あたりのGDPの急上昇である。BRICsの中でも特に中国の近年の躍進は目覚しい。
近代化に伴い中国の環境汚染は特に深刻で工業地帯で発生するVOc、NOx、SOxに起因する酸性雨や光化学スモッグなどの大気汚染、河川の水質汚染は、日本の近代化途上にあった様々な環境問題、(「四日市公害」海の汚染、大気汚染「水俣病」水質汚染etc)と類似するとの報告もあり、地理的に日本海を介して連がり、風下でもある日本としては決して対岸の火として見過ごしていられない。ロシア、ブラジル、インドも近代化途上に同じ様な環境問題をかかえる可能性は大きく、すでにかかえているかもしれない。人口も国土も広いBRICs日本の環境問題の比ではなく、地球規模の環境問題に成らぬ様に先進国の様々な支援、指導が不可欠ではないだろうか?

4.地球温暖化と京都議定書とロハス

地球温暖化と京都議定書とロハス

いま地球上で、地球温暖化が原因で様々な異変が起きている。この100年で地球の平均気温が1度上がり、水位が15cm上がっている。東京ではこの100年で3度気温が上昇している。南極では氷が溶け、ヒマラヤの氷河は1年に70m、アイスランドの氷河は1年に100m溶けている。
1992年のリオサミットに続き、1997年地球温暖化防止京都会議で地球温暖化対策として、温室効果ガスの排出について、1990年を基準年とした各国別の削減率を設定した。但し、政権維持と国益を追求する米国は、批准を拒んで現在に至っているが「ロハス」に代表される、Lifestyle of health and Sustainability「健康で地球環境を意識したライフスタイル」は政策とは裏腹に、米国の知識人に広まっている。民意はまちがいなく環境保全へと向かっている。日本でも京都定義書による削減率6%を目標に官民あげて取り組んでいる。
また「ロハス」も各マスコミ、インターネットを通じて広く浸透しつつある。

5.ゴミ問題

地球温暖化に関る温室効果ガスの発生要因として、ゴミの焼却が考えられている。日本のゴミの発生量は、1年1人あがり3、500kg、平均体重の60人分、年に4千万トン焼却し、5千万トン埋め立てている。世界で発生しているゴミは推定で年に100億トンもある。人口の増加と共に日々増え続けている。

6.シックハウス症候群

建築物の高気密化と生活の欧米化が進むにつれ、シックハウス症候群、シックスクール症候群に代表される科学物質過敏症などのアレルギー被害の増加が問題となっている。

7.終わりに

今年の2月28日に千葉県九十九里浜でイルカの仲間のカズハコンドウ約70頭が打ち上げられ地元サーファーらが海に戻す作業をした。との報道があり、3月7日には打ち上げられたカズハコンドウから国の暫定規制値の10倍を超える水銀が検出されたと報道された。私達を取り巻く環境は日々、地球規模、地域規模で変化している。先送り出来る問題もある様に思われるが、私達左官業に携わる者も、「地球、地域環境の維持」にどのように対処出きるか対応に迫られている様に思う。後世には決して先送り出来ない。

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